2009.11.09 Monday
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雲ひとつ無い澄み切った空に、初冬の涼しい風が吹く、二条城の庭園のベンチに私は腰を下ろして、紅葉を眺めていた。
400年前、この平城を徳川家康が建てた年も、豊臣秀頼と会見した年も、140年前にここで徳川慶喜が大政奉還を発表した年も、ここの木々は、何事も無かったようにこの時期は見事な紅葉をみせてくれていたのだろう。
そんな歴史を感じさせてしまうのが、京都の魔力だと思う。
人であふれかえっていた祇園の町も、数百年前も同じようににぎわっていただろうし、京都の独特な方言も、今も昔もそれほど変わっていないと思う。
私にとって、今回の京都旅行は、2度目であり中学校の修学旅行以来、20年ぶりだった。
当然、中学生のときは歴史などまったく知らず、清水寺とか金閣寺とかバスで回っただけで、まったく感動もしなければ、おもしろかったという記憶もなかった。
しかし、私も30と半ばを過ぎ、多少はワビやサビが分かってきたので、京都は、いいところだと感じることができた。
20年といえば非常に長い年月と感じるものなのだが、過ぎてみれば夢の如し、おそらく、この二条城の二の丸御殿にとってもそのようなものだろう。
江戸時代の初めに建立され、数々の歴史的イベントがここで行われ、明治維新の激動期もすぎて、昭和の太平洋戦争が終わり、バブル経済がはじけて、現在に至る。それでも二の丸御殿はあいかわず、威厳をたもっている。まるで、昨日まで、将軍がそこにいたかのように。
祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。されども、時代がかわっても、昔と変わらない顔で迎えてくれる町、京都。今度、この地に足をつけるのは何年後だろうか。